弁理士試験合格後の話

合格しただけでは弁理士ではない?

弁理士試験に合格した後、実際に弁理士として登録し仕事を行うには、「実務修習」と呼ばれる研修を受ける必要があります。

実務修習は日本弁理士会が実施し、例年合格発表後の11月中旬に申請受付があり、12月から翌年3月にかけて実施されます。

実務修習の内容

実務修習では「弁理士法及び弁理士の職業倫理」「特許及び実用新案に関する理論及び実務」「意匠に関する理論及び実務」「商標に関する理論及び実務」「工業所有権に関する条約その他弁理士の業務に関する理論及び実務」の5過程、全36科目を学びます。

また、研修には「e―ラーニング研修」と「集合研修」があります。

e―ラーニング研修では、テキスト教材を参照しながら動画講義を視聴し、また、講義内容に関する問題解答も含まれます。

集合研修は、修習生があらかじめ提出した起案(各科目の講義課題に対する論考)を講師が講評していく対面講義です。

起案の提出をしないと集合研修を受講することはできないので、集合研修前に起案作成の時間も確保しておく必要があります。

集合研修は東京、大阪、名古屋のみ

集合研修は、東京、大阪、名古屋のみで行われ、1月から2月にかけて計5日間の日程で行われます。

東京では、金曜コース、土曜コース、夜間コース、集中コース(5日間連続で受講)と4つのコースがありますが、大阪、名古屋では土曜コースのみです。

原則として集合研修は欠席が認められませんので、合格したらどの会場でどのコースを受講するのかをあらかじめ考えておく必要があるでしょう。(※ただし、病気、交通機関の大幅遅延など、やむを得ない事情を抱える場合は、事務局に申し出ることで補講もしくは振替受講が認められる場合があります。)

実務修習の免除制度

なお、実務修習は、知的財産関係の書類作成業務に一定年数携わった経験のある方、特許庁で審判官などの勤務経験を持つ方、弁護士資格を有する方に対して、一部の過程の免除の制度があります。

とはいえ、この免除申請は任意であり、日本弁理士会では能力向上のため、免除申請ができる場合にも実務修習の全ての過程を受講することを推奨しています。

集合研修は仲間づくりの場にもなる

集合研修ではグループ討議などもあり、研修後の懇親会などの場を通じて弁理士の仲間づくりができる貴重な場でもあります。

後の仕事や転職時などに役立つ人脈作りのチャンスとなりますので、積極的に交流を図ることをおすすめします。

実務修習が終われば弁理士登録が可能に

実務修習の修了を終了すれば、後は弁理士登録すれば晴れて弁理士を名乗り仕事をすることができます。

この弁理士登録には有効期限はなく、いつでも登録可能なので、自分に都合の良いタイミングで登録することができます。

弁理士登録後にも研修は続く

弁理士として登録した後には、弁理士法に規定された「継続研修制度」により5年間で70単位(1単位1時間)以上の研修の受講が義務付けられています。

必須研修としては「倫理研修(e―ラーニング5時間+集合研修5時間)」と「会員研修(弁理士として習得すべき知識や技能を養成するための研修)」があります。

それ以外にも、任意研修として地域研修(東京、大阪、名古屋以外で開催する研修)、民法・民事訴訟法に関する基礎研修、弁理士育成塾(新人対象)などさまざまな研修があります。

弁理士に限ったことではありませんが、やはり士業は一生勉強が必要ということですね。